埼玉県公立入試の社会・・・教科書をすみずみまで目を通すことは大切だ!

平成27年度の社会の問題は配点の高さで見ると歴史・地理・公民の順に出題されています。問題数は31問で昨年と同じ、個々の問題の難易度の差はあるにしても、教科書の要点を押さえた出題となっていたと思います。(ちなみに県教委の発表した予想平均点は昨年同様55点)

選択肢の中から正しいものを「すべて」選ばせる問題が地理で2題、公民で1題出題されました。生徒にとっては厳しい出題形式です。また、大問4の問1「大久保利通」を答えさせる問題も難しかったでしょう。記述問題の中には、もう定番と言って良いような問題(合掌づくり・熱帯の気候)もありましたが、なかなか手強いものもありました。

記述問題の中から2問をピックアップしてみましょう。
まずは大問3の問5です。こんな問題でした。

平成27年度埼玉県公立高校入試問題 社会大問3 問5

平成27年度埼玉県公立高校入試問題 社会大問3 問5

島原・天草一揆を答えることは容易ですが、幕府のキリスト教禁止政策を「資料4と資料5を用いて」説明しなければなりません。資料4は踏絵です。問題は資料5ですね。これはお寺が宗派別に作成した「宗門改帳」です。東京書籍の『新しい社会 歴史』には次のような記述があります。

幕府は、改宗したキリスト教徒やその親類を監視するとともに、キリスト教徒を発見するために絵踏を行いました。また、宗門改によって仏教の信者であることを寺に証明させました。葬式も寺で行われるようになりました。(東京書籍『新しい社会 歴史』P109より引用)

ちなみに教科書P109には資料3・4・5の写真がすべてカラーで掲載されています。問題作成者は教科書のこのページを見ながら問題を作ったのでしょう。

もう一つ大問6の問4を見てみましょう。

平成27年度埼玉県公立高校入試問題 社会 大問6 問4

平成27年度埼玉県公立高校入試問題 社会 大問6 問4

徳島県は埼玉県に比べて、地方税の割合が低く、地方交付税交付金の割合が高い、ということを読み取ったとして、次に、地方税と地方交付税交付金が「どのようなものかにふれ」て説明しなければなりません。「地方税」は地方公共団体が住民から集める地方独自の財源です。では地方交付税交付金は? 教科書の記述は「地方公共団体間の財政格差をならすために国から配分される地方交付税交付金」(東京書籍『新しい社会 公民』P96)です。

国からおりる予算は地方交付税交付金と国庫支出金であることを答えられる生徒は多いでしょう。そして地方交付税交付金は使い道が自由だが、国庫支出金は使い道が指定されると答えられる生徒も多いでしょう。しかし、先に引用したように地方交付税が地方間の格差を埋めるためのものと答えるためには、しっかりと教科書を読んでおく必要があるでしょう。人口だけでなく企業本社も多くある東京都が地方交付税交付金の交付を受けていないことを学んだニュートンでの授業を思い出してくれたら、きっと解けたはずです。

すべては教科書に書かれている。
教科書に立ち返れ。
社会の入試問題から得られる結論は、それにつきます。