岩波新書『中学受験』・・・私立中高一貫校の光と影

『中学受験』横田増生著 岩波新書

『中学受験』横田増生著 岩波新書

今月の岩波新書のラインアップの中で気になるのが、横田増生の『中学受験』です。
『アマゾン・ドット・コムの光と影』『ユニクロ帝国の光と影』という企業もののノンフィクションを書いた筆者が中学受験を取り上げるのですから、当然、読者としては中学受験の光と影を期待します。

実際、本の帯にはこう書かれています。
中高一貫校は“夢の楽園”なのか?
プラスとマイナスを徹底検証

まだ「はじめに」しか読んでいませんが、そこには本書執筆の動機・問題意識が丁寧に書かれています。筆者は中学受験や私立中高一貫校に関する情報が、業界紙に似て、内輪に甘いものになっていることに違和感を感じているようです。

中学受験に関する情報の発信源の多くが、受験塾を中心とした受験に利害が絡む立場の人であるのも大いに気になった。
教育業界に通じていていない一般的な読者が、私立中高一貫校に都合の悪いことを伏せた情報を大量に読めば、全体像を見誤ることにもなりかねない。
(・・・)本書では、バランスをとるため、これまでの中学受験の本では取り上げられることの少なかったマイナスの面を意識して取り上げることとした。(『中学受験』「はじめに」より引用)

中学受験コースを設置している我々としても非常に興味のある本です。
中学受験を考えているお父さんお母さんにとっては切実な本となるのではないでしょうか。
冬期講習が終わったら読んでみようと思います。

follow us in feedly

2 件のコメント

  • 拙著『中学受験』のご紹介、ありがとうございます。
    ご賢察の通り、私自身は中学受験の光と影という気持ちで書きました。
    お手すきの折、プロからのご感想をお聞かせいただけると幸いです。

    • コメントありがとうございます。現在4章まで読み進めたところです。第2章「加熱する中学受験」がとくに印象に残っています。大変勉強になります。読了した時点で感想をお送りしたいと思います。個人的には、私学の建学の精神、あるいは教育理念、それを私学が具体的にどのように生徒たちに貫こうとしているのかという点に非常に関心があります。そこにこそ私学の本領があると思うからです。建前だけの理念に堕し、大学進学実績を出すためにほとんど予備校と変わらないような私学は、本来の私学の魅力から離れてしまいます。私学を見る厳しい目が塾にもマスコミにも親にも問われているのだと思います。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください